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MDのKPI多すぎ問題( 一一)

★やたらと資料・指標が多い組織がある

私が、現在のマーチャンダイジングアドバイザーという謎の?仕事を始めてから、もう6年半以上が過ぎました。最初の2年半は、ほぼ鳴かず飛ばずでしたが、以降は良いお客様に恵まれ、様々な企業と仕事で関わることができました。

そうした中で、これまで携わってきた企業のタイプを、ざっくりと2つに分けると以下のようになります。

① (MDの)数字関連の資料が多すぎる組織
② (MDの)数字関連の資料が売上以外にほぼない組織

この2タイプです。

今回、このブログで取り上げるのは、①の組織のこと。。。MDのKPI(重要指標)多すぎ問題を記事にしたいと思います。

かつて、私が携わったある企業では、その周辺の地域で紙の使用料が一番多い等ということもありましたが。。。(その企業の実務者がそっと私に教えてくれた(笑))特に、問題なのが会議・MT使用する資料が多すぎる組織のことです。

このような組織の問題点を以下箇条書きすると。

A 資料の数が多い上に、不必要な指標が並んでいる
B 資料を理解できているのが担当者しかいない。
C 先の未来をどうするのか?という目標・行動計画が示されていない

他にもあるのですが、今回はこの3点とします。

 

A 資料の数が多い上に、不必要な指標が並んでいる

この問題は、多くの組織に見られる傾向ですが、誰が一番悪いのか?と言いますと、それは、自分自身が、(資料・指標の)理解出来ていないのに、そのような資料を作らせる責任者です。

上層部が会議・MT用に多くの資料を、実務者(MD・バイヤー等)に要求することで、実務者は、月曜日の会議・MTに間に合わせるために、日曜日出社し資料作りに勤しむ。無理な残業を強いられる。このことにも繋がります。このような場合は、上層部が必要なKPI(重要指標)を明確にし、その目的をMD・バイヤー等に伝え、必要な資料の削減に努めるべきでしょう。

ここで、MD系での代表的な不必要な指標を述べておくと、私が色んな場で言っている”プロパー消化率”こんなものは必要ありません。私がこういう発言を多くすることで、敵を作りますが、今回は説明は省きます。(興味のある方は以下の過去ブログをご覧ください)

プロパー消化率って何よ?

更に、MD系のKPIでほぼ必要ないのは、昨年対比です

既存店売上・客数・客単価等の店舗軸での資料では、昨年対比は、必要になってくるケースが多いですが、MD系の資料・指標では、ほぼ利用する必要はありません。昨年対比を入れれば入れるほど、資料が見づらくなるだけで、周囲の人が見る気をなくす資料が完成するだけです。

MDにおいて重要な指標は予算です。

ですから、MDが気にするべきは、対予算比だということを理解するべきです。(MD予算に関することは、現在繊研plusにて連載中ですので、下記リンクをご覧ください。)

算数で極める達人MDへの道《第2講》

B 資料を理解できているのが担当者しかいない。

これは、Aの問題と通じるところがあるのですが、MD等の担当者が、不必要な指標や資料を多く作成することで、結果的にその資料を理解できるいるのが、担当者だけという状態に陥る状態のことです。

MD等の担当者しか理解できない多くの指標使用し資料を作成することで、上司からの追求をかわす、更に言えば、そのことで”自分はすごく頑張っている!”という、妙な満足感に浸り、仕事をしているような気でいるMDは大問題です。

このような仕事の為の仕事を増やすことで、店頭に行かない言い訳にしている節さえあります。こんな状態になってしまっては、MDの本業である”顧客に喜ばれる商品品揃えする!”等ということは、到底できないでしょうし、本部と現場の距離が地平線まで遠くなることでしょう。

こうした状態に陥った場合も、前述したように、上層部が必要なKPI(重要指標)を明確にし、その目的をMD・バイヤー等に伝え、必要な資料の削減に努めるべきでしょう。また同時に、マーチャンダイザーの仕事の目的と手段が入れ替わらないように、MDに対する教育が必要となります。

 

C 先の未来をどうするのか?という目標・行動計画が示されていない

そもそもの会議・MTを開催する目的は?

”過去の結果を受けて、この先(未来)を良くする案を創出し実践に移す!”

ことが会議の目的です。

確かに、(前週・前月等の)過去の商品分析をすることは大事なことではありますが、会議・MTの目的は、過去の結果の話に終始し、上司が部下を罵倒する場ではないのです。

ですから、現在から先のことが記されている資料や数字を使った表現が必要となります。

(先の未来の目標数値。そして、その目標数値を達成するための具体的な施策を表現しなければならない。)

現状、会議・MTの時間構成が、過去9。先の未来1となっているような企業・組織があるようでしたら、早急にこのことを改善すべきです。

もしも、今回の私のブログの内容に心当たりがある組織があるならば、この会議・MTの本来の目的を見据えた上で、早急にKPIの再設定と現在の資料・指標の削減を大胆に実施し、過去2~4。この先のことを6~8に!と会議・MTの見直しをオススメして、今回のブログを終わります。

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