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数字は構造を図で捉えて、数字を放り込め?

★数字に対して、苦手意識の強い業界

マーチャンダイジング(以下MD)には、”適品”に代表される商品そのものの仕事と、”適量””適格”に代表される数字面の仕事。2つの側面がある!ということを、このブログでも他の連載でも繰り返し述べてまいりました。


私自身もそうでしたが、MDという仕事に従事していたときは、商品面の仕事ばかりに注力し、数字面の仕事は”我流”で、売上や発注数量から見える仕入金額のことくらいしか気にしていませんでした。そもそも、服が好きでこの業界に入ったのですから、数字の仕事に興味をもてませんでしたし、数字に対する苦手意識がありました。アパレル・ファッション小売業の仕事に従事されている皆様方の中には、私と同じような思いを持った人も多いことでしょう。

しかしながら、小売業で出てくる数字は基本で解決できることばかりです。
(時折、あまり意味のない回帰分析等で説明する自慢するコンサルや、役に立たない機能を満載したAIやデジタル技術を喧伝し、業界に悪影響を与える組織もありますが)
算数は、小学校で学習するものになりますから、殆ど人が身につけている知識になる筈です。ということは?昔の自分もそうでしたが、”数字に関する仕事が苦手なのではなく、逃げているだけ!”ということになります(昔、私も師匠によくそのことを言われました)。更に、多くのアパレル・ファッション小売業の組織が、間違った指標や無駄な指標を追いかけることで、資料が複雑化し、時間を無駄にしています。

 

★MDの数字面で身に着けてほしい、数字の知識は2つ?

MDの数字面の仕事に関して言えば、身に着ける基本的な知識は。

・売上=粗利益+売上原価
・期首在庫+(期間)仕入=(期間)売上+期末在庫

この2つです。その他の指標等は、この2つの知識を付随するものでしかない!と思った方が良いでしょう。そして、MDの数字面の仕事の精度を上げるには、上記の2つの計算式の構造を理解することが重要となります。


そして、この構造を理解し活用することこそが重要だということです。

 

★ちょっとしたトレーニングを行ってみよう!

では、ちょっとしたトレーニングを行ってみましょう!以下の図をご覧ください。

例えば、現在が12月上旬としましょう。このことと上記の図とを合わせて、以下、箇条書きで追加事項を加えていきます。

・この組織の値入率は60%(仕入原価率40%)。商品は秋冬物のみ。
・12月末の期末在庫予測は1,200万円。
・1月末に在庫原価を500万円まで圧縮したい。

このような組織があったとします。

まずは、しなければならないことと言えば、1月の売上予測の算出です。このことは、デジタル技術等の進化が進めば、苦労しなくて済む分野かもしまれません。ですが、現状は予測が難しいかもしれませんが、必ず先の売上予測(売上の願望ではない、リアリティーのある見通し)は算出していきましょう。仮に、1月の売上予測が1,000万円。仕入金額が0円の場合。1月末に在庫原価を500万円にもっていくには?上記の図の売上原価の部分の数字を算出すれば良い!ということになりますから、

1200万円(1月の期首在庫→12月末の期末在庫)-500万円(1月末の目標在庫)=700万円(1月の必要売上原価)

となります。今回は、1月の売上が予測が1000万円となりますから、売上原価の図の部分に700万円を放り込めば?自ずと、1月の粗利益高は300万円になります。(1月の売上1000万円-1月の売上原価700万円)

そして、300万円(1月の粗利益高)÷1000万円(1月の売上原価)=30%(1月の粗利率)

となります。この組織の値入率は60%ですから?セールしない場合は、粗利率が60%になる筈です。今回は粗利率が30 %になりますから、1月はかなりのOFF施策が必要となるわけです。因みにOFF率の計算は?このブログや他の連載でも、計算の仕方を公開していますが、今回のケースですと?

700万円(1月の売上原価)÷40%(この組織の原価率)=1750万円(1月に売れる商品をOFFしなかった場合の売上)
1750万円-1000万円(1月の売上)=750万円(OFFした金額)
750万円÷1750万円=42.9%(1月のOFF率)

となり、かなり強めのOFF施策を実行しなければ、1月の末在庫目標には達しません。この状態の場合、将棋でいえば詰んでいる状態に等しいのかもしれませんが、自分たちの組織の特徴を鑑みて、ベターな施策を捻出せねばなりません。更に言えば、このような状態にならないように、この組織の場合は、常に3~4カ月先の売上・粗利・仕入・在庫の見通したてておく必要があるでしょう。

 

★とにかく反復練習を!

話を戻し、仮に上記の組織が3~4か月先の目標を立てていた場合、今回、行ったような計算を3~4か月先まで行い、先の見通し立てておけば良いのですが、もし、難しいと感じるのだとしたら、上記のように数字の構造を図で捉えることが出来ていれば、さほど難しいことではありません。また、多品種な品揃えになるほど、資料の数字は、数字の羅列が増え数字が小さくなりますが、MDの数字の構造さえ理解しておけば、恐れることなどない!ということです。

ですので、このブログをご覧になられているMDの皆様方には、日々このようなことを反復練習を行い、使いこなせる知識として身に着けて頂ければ、嬉しく存じます。この度は、記事をご覧頂きありがとうございます。次週もよろしくお願いいたします。

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