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「気温」「サイズ」「チャネル」が及ぼす売上への影響

マジで暑すぎる日が続く今年の夏。7月に入りやや暑さは和らぎましたが、8月の盆頃、人類は生きていけるのか──まぁそんな大袈裟なことではないですが、熱中症には十分注意してください。

さて、本日はいくつかの軸に分けて、僕が2022年3月から展開した22年春夏シーズンの「売上」を基に、見えてきた傾向を書いていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

①気温軸

②サイズ軸

③チャネル軸

 

①気温軸


例年とは比較できないほど梅雨が早く明けた2022年。6月でも既に猛暑が続いていたので、商品の売れ方にも大きな差が生まれてきました。(商品は半袖Tシャツ・ショートパンツ:全て5月後半立ち上がり)

下図は6月の気温をグラフにしたものです。

そして下図は上図の気温グラフに売れた商品を掛け合わせたものです。

6月10日を除けばそのほとんどが気温30℃を超えて、本格的に暑くなってから売れたものです。

他のショップと違い、弊社は大量生産を行わないので、あまり参考にはならないかもしれませんが、およそ一か月以上を経てからの購入ということになります。

更に、電話で二件、メールで二件お問い合わせをいただいたのも気温が高くなった6月17日頃が多かったです。

これらのことから見えてくるのは、

・S/Sものは意外と気温上昇に伴い比例する(リアルタイム)
・立ち上がり直後のプロモーションだけでなく、継続的な同商品のプロモーションもあり

ということで、これは裏を返せばセールスターゲットには波及している一方、ブランドターゲット作りには成功していないという状態です。秋冬シーズンの大きな課題はこの点ですから、どうにか一歩一歩改善していきたく思います。

 

②サイズ軸


弊社のE-SHOPをご覧いただければ分かると思いますが、OMOTE TO URAでは

・Tシャツ:同色5型(S,M,L,XL,XXL)
・パンツ:同色5型(S,M,L,XL,XXL)

を基本として展開しています。

E-SHOPの在庫には、それぞれ「1」と表示していますが、実際には

・M,L,XLのみストックを確保しておく

ということを行っています。これは、昨年の商品の売上の傾向からみた”売れやすいサイズ”を用意しているからです。

しかし、今年の春夏シーズンの洋服は、Tシャツ・パンツ共に「XXL」サイズから、しかも女性が購入してくださるという現象が起きました。とりたてて22S/Sがビッグシルエットがトレンドになっているということも聞いていませんから、不思議でなりませんでした。

恐らく、この傾向は「ネット販売」という特性上、「入らなかったら困る」というお客様のインサイトが影響しているのではないかと考えています。ちなみに最後まで在庫として残ったのは「S」サイズでした。

 

③チャネル軸


以前MSMDさんのブログで「ネットのコンテンツは強力な資産」という記事をアップしました。これは、現在の弊社の状況をウェブ的な側面から俯瞰して見る記事でした。

この記事以来、直せるところを直して、改善に努めていますが、驚くような数値改善がみられたポイントもいくつかありました(後日書きます)。

しかしその一方で、どのチャネルからお客様がE-SHOPにきてくださっているのかが分からない状況が続いています。アナリティクス上では「Organic Search」の割合は高いのですが、具体的にどのコンテンツから入ってきてくださっているのかが分かりません。故に「どういったコンテンツを強化して、どのチャネルに力を入れればいいかわからん」という状態に陥っています。このノウハウを学んで、前述した後日の記事で書きたいと思います。

たった一つ、分かっていることはパンツをご購入いただいた方が「MSMD」のブログよりご購入くださったと仰っていて、びっくりしたのと同時に本当に嬉しかったです。顔も知らない見ず知らずのお客様ですが、本当にありがたいことです。

 

以上が、自社の2022年S/Sシーズンの広い分析でした。定石通りの施策がうまくいかないこともあって、時には柔軟な発想が大切なんだなと認識した春夏の販売期間でした。次回は8月12日の更新ですが、いつもとは少し違ったムードの記事を書いてみたいなと思います。暑すぎる今日日、ゆるく働きましょう…!最後までお読みいただきありがとうございました。(ワダアサト)


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