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売上が低迷しているときに局面を打開するには、商品を仕入なければ打開できない?

★売上低迷の局面を打開するには、商品を仕入するしかない?

今年のアパレル小売業の冬商戦は過去2年のコロナ禍よりも売上が伸びる可能性が高いでしょう。しかしながら、過去2年のコロナ禍よりも売上が芳しくないところが少なからずとも存在していると存じます。一般的には、売上が低迷すると仕入を削り、在庫を減らしにかかります。このこと自体は別に間違いではありません。ですが、売上以外の数字の理解に乏しく、感覚頼みで根拠が明確にないままに、むやみやたらに仕入を削減しすぎると、更に売上が低迷する可能性が高いということに、気づかない人・組織が多いのも事実です。更に言えば、今期だけでなく来期以降の売上低迷にも繋がる可能性が高まります。以下、感覚だけで仕入を削るとどのようなことが起こるのか?の例をお伝えします。

(例)あるレディースブランドのニットの例

・現在10月1日。
・ニットの8・9月の売上実績は、合計で予算の約73%の売上だった。
・今年はニットがあまり良くないと踏んでおり、感覚的に発注を抑えめにしている。
・上記の結果、現在ニットの仕入予算の約45%しか発注していない。
・上層部に仕入を抑えろ!としつこく指示が出ているので、今後の仕入に躊躇している。
・リードタイム(以下LT)は2カ月。

このような状態の組織があったとします。以下の図が上記の組織の現状を表しています。

上記の図を見ると、確かにレディースのニットが売れ始める9月の成績が良くないので、仕入を抑えていることは間違いではなさそうです。それでも、売上予算の約70%くらいは見込めそうですから、10月以降の売上見込み(2カ月)を、売上予算の70%で入力すると以下の図のようになります。


もしも、上述したように10月以降の売上が売上予算の70%で推移すると、上記の図をご覧頂ければわかるように、今後約1100万円の原価分の仕入を行わなければいけないことが、明確にご理解頂けると思います。ですので、このまま仕入を感覚的に躊躇していると、更に売上が低下する!というのは、このことです。実際、このまま仕入を止めた場合の売上・粗利・仕入・在庫のストーリーを表現した図が、以下の図になります。


この図のストーリーのまま行くとは限りませんが、仕入をしないのですから、当然のことながら売上も粗利益も低下します。売上はどんなに頑張っても売上予算の約40%。また、新たな仕入をしていませんから、12月以降は売れ残り商品の比率が高まると予測され、粗利高は売上以上に予算を下回るでしょう。

ということは?、現在10月1日で商品を新たに発注しても12月以降の入荷にしかなりませんが、商品を仕入れて少しでも売上・粗利の最大化を目指さなければなりません。このシチュエーションだと新たに企画を起こして新商品を作るのは難しいでしょうから、現状の発注済み商品の追加・焼き直ししか手段がありません。それでも、分析・検証が出来た上で売れる可能性の高い商品を発注した!というストーリーが以下の図になります。

この場合、12月・1月で原価高2000万円もの金額を追加発注していますので、12月の仕入は12月1日には店頭に入荷させたいところです。仮にこの商品の売れ行きが思ったほどでない場合は、1月以降に更に粗利を犠牲にし、在庫を消化させる必要があります。しかしながら、このくらいのリスクを負わないと現状は打開できない!ということです。
今回はLT2カ月で話を進めてきましたが、海外生産の多いニットは、現状3ヵ月以上のLTの場合が多いでしょう。そうなると、このストーリーは手遅れになります。ですので、感覚的に物事を進めるのではなく、しっかりとした商品管理ルールの中で、売上だけでなく粗利・在庫・在庫等も予算化し、各アイテムごとにアラート機能をつけ、LT以上のスパンで定期的に状況を追うことが重要となってきます。

カテゴリー選定はMDにおける重要な部分

最後に、売上の低迷という局面を打開するには、売れる商品を新たに仕入するしかありません。これは発注権限のあるMDにしかできないことです。ですので、今回の記事が少しでも現役MDの皆様方の役に立てればと存じます。

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