ファッションビジネス ・リテールMDアドバイス ・マサ佐藤

MENU

ファッションビジネス ・リテールMDアドバイス ・マサ佐藤

暖冬対策に有効なMD対策はあるのか?

★UAさんの今後の暖冬対策MD

先日、以下の記事を見つけました。

ユナイテッドアローズ シーズンレス商品を強化 仕入れも見直し収益重視

2023年度の秋冬商戦は、多くのアパレル小売が苦戦したとみられますが、その中で、ユナイテッドアローズさんが、今後の更なる暖冬に備えて対策を講じている!といった感じの記事です。そして、この記事の中で気になった文言を、以下抜粋致します。

ユナイテッドアローズは、23年10~12月の業績が暖冬で苦戦したことを受け、シーズンレスで長く着られる商品を増やす。
プロパー販売重視の姿勢は変えないが、終盤のセール販売も見据えて仕入れ量も改めて増やし、秋冬商戦の収益規模最大化を目指す。

更に、上記の文言を2つに分解し、わかりやすく説明しますと、以下のようになります。
①暖冬で苦戦したので、シーズンレス商品(販売期間の長い定番商品?)を増やす。
②秋冬商戦の終盤は、セールを見据え冬商品の仕入数量を増やす。
このように捉えることが出来ます。ぶっちゃけて言いますと、「①と②ってなんか矛盾してない?セール見据えて仕入増やすのならば、わざわざプロパー販売重視とかいう文言いらなくね?」と個人的には感じるのですが、このことを両立させることを、必ずしも否定することもできませんので、①②それぞれに考えてみましょう。

★シーズンレス商品を増やすメリットとデメリット

先ずは、(秋冬商戦に)シーズンレス商品を増やす場合のメリットです。
・長い期間売れる商品を増やすことで、気温変化に左右されない品揃えができる。
・シーズンレス商品→定番商品と考えれば、プロパー販売が強化できる。
このようなことが考えられるでしょうか?
次は(秋冬商戦に)シーズンレス商品を増やすデメリットです。
・ショップの鮮度が下がる→全体の売上が下がる恐れ。(特にレディースはきつい)
・上記に付随して、季節商品の仕入枠が減る。
・シーズンレス商品増加による在庫増の恐れ。
他にもありますが、上記のようなデメリットが考えられます。
この中で、私が特に懸念するのは、シーズンレス商品増加による在庫の増加です。私はこれまで、シーズンレス商品(定番商品・継続商品と定義する組織が多い)を、多く扱う企業と数多く仕事をしてきましたが、そのような企業の多くが総じて在庫が増大していました。更に言いますと、シーズンレス商品への慢心からショップのマンネリ化を招き、売上も低下している組織を目の当たりにしてきたので、①の施策を強化することで、暖冬対策になるとは思えません。定番で長く着られる!と喧伝する商品を打ち出すことには、何の異論もありませんが、商品の販売期間・販売終了日の設定を、具体的に行うMDを組むことこそが、暖冬対策に繋がると個人的には考えてます。また、秋冬商戦の場合、季節商品の構成比を下げることは、1点単価の低下に繋がり、大幅な客数増加が必要になる懸念も高まりますから、このようなことも考慮しなければなりません。
以下、私が過去に掲載した継続商品や販売期間の設定が在庫に与える影響の記事になりますので、ぜひご覧くださいm(__)m。

定番商品こそ、売れる分だけ仕入れるという意識を持とう!

販売期間の長短が在庫に与える影響とは?

★秋冬商戦終盤の仕入枠を増やすためには?

次は②に関して考えます。
このことを私なりに捉えれば、暖冬の影響で寒くなる時期が遅くなっているから、12月に冬の新規商品を増やし1月以降のセールを見据えて、仕入枠を増やす!と捉えることができます。ある意味、冬商品の販売期間を短くするということになりかねませんが、個人的には、これは暖冬対策に有効ではないか?と感じる部分があります。
前提として、商品の仕入枠を増やすには、売上原価を増やす必要があります。今回の例でいえば、12月~2月の売上原価をアップさせて、仕入枠を増やすということになるでしょう。売上原価を増やすには、12月~2月の売上そのものをアップさせるか、12月~2月の粗利率を下げること。この2つの策があります。MDとして考えなければならないことは、粗利高の最大化ですから、セールという集客に繋がる施策を利用しながら、売上そのものもアップさせなければなりません。ですから、12月に入荷させる冬商品のラインナップを熟慮する必要がありますし、セールを見据えた売・粗の予算を設計し、仮に売れ行きが鈍い商品が出た場合には、躊躇なくセールを行う必要があるでしょう。
また、別の考え方として、12月以降に入荷させる冬商品を、通常の元売価の設定より下げて展開するという手法もあります。(値入率設定を下げる・原価率設定を上げる)しかしながら、この施策にはリスクもあります。当然のことながら、この施策を実行すればプロパー販売の強化に繋がる可能性は高まります。ですが、MDにとって重要な部分である”適価”を無視しているとも捉えられますので、このことを長く続けていると、通常時の価格設定では、お客様が商品を購入してくれなくなる可能性が高まります。ですから、元売価設定を下げる施策を実践する場合は、先を見据えた慎重な対応が求められます。

最後に、今後起こりうる更なる暖冬に対応するには、先ずは(自分たちブランド・ショップの)商品そのものを強化することが重要です。その上で、自分たちのブランド・ショップコンセプト・仕入先との関係性や顧客層などを見据えながら暖冬対策MDを具体的に考えることこそが重要であり、マスコミの報道や周囲の噂に流され、短絡的で安易な手段を取り失敗をしないことを祈りつつ、今回の記事は終了です。

マーチャンダイジング関連のサービスは、以下のリンクをクリックしてご確認くださいm(__)m

SERVICE

MSMD & Co.,Ltd
MSMD & Co.,Ltd Twitter
弊社への問い合わせ・仕事依頼はこちら

この記事をシェアする

RANKING POST

1

2020.07.07

大量生産と過剰供給は別物
2

2020.04.27

EC・通販専業ブランドも標準店舗の概念が必要なのでは?
3

2021.10.29

YouTubeは稼げるのか?!YouTube登録者1,000人のリアルな収益を発表

NEW POST

2024.03.01

再入荷お知らせの店舗版がリリース!店舗の機会ロスを可視化し、アプローチ可能にする日本初の取り組みとは?

2024.02.29

アパレルECの担当者はどうしたら育つのか?

2024.02.27

店頭のリサーチはどうすれば良い?(マサ佐藤編)

2024.02.22

リピート率はどうしたら上がる?

2024.02.20

在庫回転(日数・率)だけ切り取って論じても意味がない?

CONTACT US

小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

TRADINGPERFORMANCE

取引実績