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前回、上記のような記事を書いたのですが、最近「簡易にデータ分析をしたい」というご要望をよく頂くようになりました。前回も記載しました通り、ブランドの初期フェーズでは細かいページ構成や施策立案を実行している訳ではありませんので、出すデータも「そこまで細かいものは必要無い」という感覚だけは皆様お持ちのようで。かと言って、
「ざっくりでも見ておけば良いと言われても自社に合ったデータの出し方がよくわからない」
という感じでしょうか。GA4やsearch consoleは無料で使えるサービスではあるものの、用語が不明だったり、そもそもどれが何を指しているかがわからない事も多いでしょう。そんな訳で、ちょっと具体的にケーススタディを記載しておきたいと思います。(取得するデータはGA4とsearch consoleに限定して記載いたします。)
まずはインフルエンサーブランドや、ディレクターが著名人のケースからいきましょう。こちらに関しては主にSNSが集客経路のメインになりますので、どのsocialを主に活用してか?で変わります。それがInstagramの場合は、深堀りすべきは下記のような感じでしょうか。
◯セッションの参照元メディア経由の「セッション数」「CVR」「購入数」「収益」
・l.instagram.com / referral(プロフィール欄)
・instagram.com / referral(ストーリーズ)
・IGshopping / Social(ショッピングナウ)
・その他パラメータを付与している参照元メディア(SNS広告含む)
◯instagramのフォロワー数の増加
※セッション数や売上との相関を確認
◯instagram上で発生しているUGCと売上・ブランド指名検索増加の相関
※IGアカウントから、発生したUGCの詳細を確認
※search consoleにてブランド指名検索の日割りの増減確認
◯instagram経由のランディングページ
※主にストーリーズとショップナウ経由の効果検証
他にもLINEや広告を活用している場合、これに付け足していく感じになりますが、お客様への通知がinstagramに依存しているケースが多く、ここのセッションや経由売上が下がってくるとやや危険な状態なので日々注視しておく必要があるでしょう。また、instagramとECサイトをフィード連携したり、SNSで投稿している画像をECサイトで再活用する場合、経由売上がどの程度あるのか?も見ておきたいですね。
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複数の店舗展開があり、アパレルらしい雑誌媒体への掲載などのPR施策を重視しているブランドは「ブランド指名検索」が非常に重要になります。ここが伸びているうちは何をやっても上手くいきがちですが、下がってくるとEC側の施策だけではどうしようもない事も多いです。また、店頭を活用してどうECに影響を及ぼすか?も合わせて見ておく必要があるでしょう。そのあたりを踏まえると下記のような形になりやすいです。
◯ブランド指名検索の推移
※特に「ブランド名 アイテム名」の検索クエリの注意
◯検索経由のランディングページ確認
※特に「ブランド名 アイテム名」でヒットしやすい商品一覧ページの効果検証
◯ローカル検索対策
※店舗検索によりゼロクリックが発生しやすいのでGBPも合わせてチェック
※店舗ページがランディングページになりやすい
◯店舗での個人情報取得・SNSのフォロー推奨
※店舗オペレーションの徹底
※各種SNS・LINEの登録数の増減確認
店頭でEmail・LINEをヒアリングする場合、合わせてメルマガ・LINE経由の効果がどれだけ伸びたのか?も合わせてみておきましょう。件名やエリアによって差分も出てきますので、そちらも合わせて見ておきたいですね。
セレクトショップは多数のブランドを展開していますので、それぞれのブランド指名検索によるクリックを増やしていく事が第一優先です。しかし、いくら指名検索でクリックが発生しても他社でも取り扱いのあるブランドの場合、ECサイトの画像・コーディネート・記事コンテンツなどで購買に差が出てしまうので、サイトコンテンツの充実からどの程度の効果が出ているか?は重要な指標になります。
また、地方のセレクトショップになりますと新規獲得はそれほど促進されず、主に顧客売上がメインになりがちです。それらを踏まえますと下記のような形になりますね。
◯ブランド指名検索推移(取り扱いブランド全て)
※ブランド数が多いと計測が大変なので、BigQuery × search consoleでの計測がオススメ
◯サイトコンテンツ経由売上
※商品詳細ページの離脱・コーディネート/記事コンテンツ経由売上
◯記事コンテンツのSEO効果
※記事のSEO対策から購買は発生しづらいが認知は取れる
◯顧客売上の推移
※直近1年での顧客ランキングなど、どのお客様がどの程度の来店頻度と購入があるか?を逐一チェック
と、上記のような感じでしょうか。まずは効率を考えますとブランド指名検索からどの程度売上が取れるか?ここはWEB広告もセットで運用しやすいでしょう。複数ブランドの管理が非常に大変なので、BigQueryは使っておきましょう。サイトコンテンツは一応、SEO効果と書きましたが、検索流入からの購買は極めて少なく、どちらかと言えば既存顧客向けではあります。また、検索で商品一覧ページから流入してきたユーザーに対し、購買の背中を押せるようなものが望ましいでしょう。地方セレクトは店頭でも顧客管理がしっかりやっていると思いますので、EC側でも当然チェックが必要です。店頭顧客とECでお客様が被る場合は、先日書いた記事を参考にして調査してみてください。(Shopifyに限る)
文字数が長くなりましたので本日はここまで。次回は「量販向けブランド」「卸メイン」「服飾雑貨ブランド」などのダッシュボード作成について見ていきたいと思います。「ダッシュボードを代わりに作って欲しい」「そこから課題抽出と施策立案のやり方を教えて欲しい」という場合はそのようなメニューもご用意しておりますので、お気軽にお問合せください。お問合せはこちらから。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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